天体写真の撮り方|初心者でも星空をきれいに撮影するカメラ設定とコツ
投稿日 : 2026年8月19日
最終更新日 : 2026年8月19日
目次A Table of Contents
01はじめに
夜空を見上げると、肉眼では見えているたくさんの星も、写真にすると意外とうまく写らないことがあります。
「星がほとんど写らない」
「写真が明るくなりすぎる」
「星が線のように流れてしまう」
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
天体写真は難しそうに感じますが、カメラの設定と撮影方法を少し覚えるだけで、初心者でも美しい星空を撮影できます。
今回は、一眼レフやミラーレスカメラで星空・星景写真を撮影する方法を、カメラ初心者にも分かりやすく紹介します。
02天体写真を撮るために必要なもの
まずは、星空撮影に必要な機材を準備しましょう。
カメラ
一眼レフやミラーレスカメラがおすすめです。
最近のミラーレスカメラは高感度性能が高く、暗い夜空でも星をしっかり写しやすくなっています。
特に星空撮影では、マニュアル露出(Mモード)を使えるカメラが便利です。
明るい広角レンズ
星空撮影では、広い範囲を写せる広角レンズが使いやすいです。
例えば、
* 14~24mm
* 16~35mm
* 20mm
* 24mm
などがおすすめです。
さらに重要なのがF値の小さい明るいレンズです。
F1.4、F1.8、F2.0、F2.8などのレンズなら、少ない光でも多くの星を写しやすくなります。
例えば20mm
F1.8のようなレンズは、星空と風景を一緒に撮影する「星景写真」と相性の良いレンズです。
三脚
星空撮影では必須といってもいいアイテムです。
シャッタースピードが数秒~数十秒になるため、手持ちでは手ブレしてしまいます。
できるだけ、
* 重量のあるもの
* 脚をしっかり固定できるもの
* カメラを載せても安定するもの
を選びましょう。
リモートシャッター
シャッターボタンを押したときの振動を防ぐために、リモートシャッターも便利です。
ただし、最近のカメラならセルフタイマーを2秒程度に設定する方法でも代用できます。
03星空撮影におすすめのカメラ設定
基本設定
ここが一番重要なポイントです。
最初は以下の設定から試してみましょう。
| 設定項目 | おすすめ設定 |
|---|---|
| 撮影モード | M(マニュアル) |
| 絞り | F1.4~F2.8 |
| シャッタースピード | 10~20秒 |
| ISO感度 | ISO3200~6400 |
| フォーカス | MF |
| ホワイトバランス | 3500~4500K程度 |
| ファイル形式 | RAW |
ただし、これはあくまでスタート地点です。
月明かりや周囲の明るさ、レンズのF値などによって最適な設定は変わります。
まずは「絞り」を開放にする
星空は非常に暗いため、できるだけ多くの光をカメラに取り込む必要があります。
そのため、まずはレンズの絞りを開放にします。
例えば、
F1.8のレンズ → F1.8
F2.8のレンズ → F2.8
から始めてみましょう。
ただし、レンズによっては開放F値より1段程度絞ったほうが、周辺部の星がきれいに写る場合もあります。
シャッタースピードは15秒前後から
星空撮影では、シャッタースピードを長くするほど多くの光を取り込めます。
しかし、長くしすぎると地球の自転によって星が動き、星が線状に写ってしまいます。
そこで、まずは
10~20秒程度
から試してみるのがおすすめです。
広角レンズなら15秒前後からスタートすると調整しやすいでしょう。
ISO感度は3200~6400を目安に
星を明るく写すためにはISO感度を上げます。
最初は、
ISO3200~6400
程度から試してみましょう。
暗い場所ならISO6400以上が必要になることもあります。
ただし、ISO感度を上げすぎるとノイズが増えてしまいます。
「星が写る明るさ」と「ノイズ」のバランスを見ながら調整することが大切です。
04その他の設定ポイント
星空撮影ではオートフォーカスを使わない
夜空ではオートフォーカスがうまくピントを合わせられないことがあります。
そのため、マニュアルフォーカス(MF)に切り替えます。
おすすめは、ライブビュー画面を拡大して明るい星を確認しながらピントを合わせる方法です。
星が一番小さく、シャープに見える位置を探します。
注意したいポイント
「無限遠マークに合わせればいい」と思いがちですが、レンズによっては無限遠の位置が少しずれることがあります。
そのため、実際の星を見ながらピントを合わせるのがおすすめです。
ホワイトバランスは好みで調整する
星空写真では、ホワイトバランスによって写真の雰囲気が大きく変わります。
例えば、3500K前後
にすると、青みのある夜空になりやすく、星空らしい印象になります。
一方、4000~4500K程度にすると、少し暖かみのある自然な雰囲気になります。
RAWで撮影しておけば、後からホワイトバランスを調整できます。
RAWで撮影する
星空撮影では、できればJPEGだけではなくRAW形式で撮影しましょう。
RAWなら、撮影後に
* 明るさ
* ホワイトバランス
* コントラスト
* ハイライト
* シャドウ
* ノイズ
などを細かく調整できます。
特に暗い夜空は、現像によって写真の印象が大きく変わります。
ピント合わせは撮影前に行う
撮影中にピントがずれてしまうと、せっかくの写真が台無しになります。
一度ピントを合わせたら、誤ってフォーカスリングを動かさないように注意しましょう。
撮影途中でも、数枚ごとに星を拡大してピントを確認すると安心です。
手ブレを防ぐための設定
三脚にカメラを載せても、シャッターボタンを押すと振動することがあります。
そこで、
* セルフタイマー2秒
* リモートシャッター
* 電子先幕シャッター
* 電子シャッター
などを活用します。
カメラによって使える機能は異なりますが、できるだけシャッターを切るときの振動を減らしましょう。
05撮影場所選びがとても重要
カメラの設定以上に重要なのが、撮影場所です。
街中では街灯や建物の明かりによって空が明るくなり、暗い星が見えにくくなります。
できるだけ、街明かりが少ない場所を選びましょう。
山間部や高原、海岸などは星空撮影に適しています。
月明かりにも注意
星空撮影では、月の明るさも重要です。
満月の前後は空が明るくなるため、淡い星や天の川を撮影するには不向きです。
天の川を狙うなら、月明かりの少ない新月前後がおすすめです。
一方で、月明かりを利用すると山や木々などの風景を少し明るく写すこともできます。
06天の川を撮影するなら
星空撮影の中でも人気が高いのが天の川です。
天の川を撮影する場合は、できるだけ暗い場所を選びましょう。
基本設定の例は、以下の通り。
* F1.4~F2.8
* 10~20秒
* ISO3200~6400
* MF
* RAW
さらに重要なのが、天の川がどの方向に見えるのかを事前に確認しておくことです。
撮影場所に到着してから探すのではなく、星空アプリなどで天の川の位置を確認しておくと、構図を決めやすくなります。
07星だけでなく「風景」を入れる
星空写真を印象的にするには、星だけを撮るのではなく、地上の風景を入れるのがおすすめです。
例えば、以下のものを入れてみましょう。
・山
・湖
・木
・建物
・海
・星空を見上げる人物
「星空+地上の風景」という構図にすると、写真にスケール感が生まれます。
08星空撮影でよくある失敗
星が暗くて写らない
ISO感度を上げるか、
シャッタースピードを少し長くしてみましょう。
ただし、シャッタースピードを長くしすぎると星が流れてしまいます。
星が線になってしまう
シャッタースピードが長すぎる可能性があります。
10~15秒程度まで短くしてみましょう。
また、より広角のレンズを使用する方法もあります。
写真全体が明るすぎる
街明かりが強い場所では、夜でも写真が明るくなってしまいます。
ISO感度を下げたり、シャッタースピードを短くしたりして調整しましょう。
可能であれば、もっと暗い場所へ移動するのが効果的です。
星がぼやけている
ピントが合っていない可能性があります。
ライブビューを拡大し、明るい星を見ながらMFでピントを合わせ直しましょう。
09初心者におすすめの撮影手順
初めて星空を撮るなら、次の手順で試してみてください。
- 暗い撮影場所を選ぶ
- 三脚を設置する
- Mモードにする
- 絞りを開放にする
- ISO3200程度に設定
- シャッタースピードを15秒にする
- MFにして星にピントを合わせる
- RAWで撮影する
- 写真を確認してISO・シャッタースピードを調整する
これだけでも、星空撮影を始めることができます。
10まとめ|星空撮影は設定を覚えれば難しくない
天体写真は難しそうに感じますが、基本的な設定を覚えてしまえば、初心者でも十分楽しめます。
- 暗い場所を選ぶ
- 明るい広角レンズを使う
- 三脚を使う
- Mモードで撮影する
- F値は小さくする
- ISO3200~6400を目安にする
- シャッタースピードは10~20秒程度から試す
- MFで星にピントを合わせる
- RAWで撮影する
- 月や天の川の位置を事前に確認する
最初から完璧な写真を撮ろうとせず、シャッタースピードやISO感度を少しずつ変えながら撮影してみましょう。
暗い夜空にたくさんの星が浮かび上がった瞬間は、普段の風景撮影とは違った大きな感動があります。
ぜひカメラを持って、星空撮影に挑戦してみてください!
